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#028 飲食店のキャッシュレス、「全部対応」が正解とは限らない — 業態と客単価で決まる"入れる決済"の優先順位

#028 飲食店のキャッシュレス、「全部対応」が正解とは限らない — 業態と客単価で決まる"入れる決済"の優先順位

飲食店のキャッシュレス対応は、すでに当たり前になりつつあります。経済産業省の実態調査では、飲食・小売・観光といった業種のキャッシュレス導入率は 8 割を超える水準とされ※1、全国の飲食店のキャッシュレス決済比率も、2025 年 5 月時点で 52.9% を記録しました※2。「キャッシュレスに対応するかどうか」は、もう多くの店にとって過ぎた問いです。

いま経営者を悩ませているのは、その次の問いです——「どの決済手段を、どこまで入れるか」。クレジットカード、各種 QR コード決済、交通系をはじめとする電子マネー……「とりあえず全部に対応しておこう」と考えがちですが、手段を増やすほど、手数料の種類も、締め作業も、レジまわりの運用も複雑になっていきます。

実は、入れるべき決済の優先順位は、店の業態・客単価・回転率によって変わります。本記事では、「全部対応」に走る前に、自店にとって何を優先して入れ、何は後回しでよいのかを判断するための軸を整理します。

「とりあえず全部対応」が抱える、見えない負荷

決済手段を増やすこと自体は悪いことではありません。問題は、「優先順位をつけずに、なんとなく全部」入れてしまうことで生じる負荷です。

まず、手数料の種類が増えます。クレジットカード、QR コード決済、電子マネーは、それぞれ料率の水準が異なります※3。手段が増えれば、どの売上にどの料率がかかっているのかが把握しづらくなります。次に、契約や入金サイクルが事業者ごとにバラバラだと、月末の締め作業や入金管理の手間が積み上がります。決済手段ごとに端末やタブレットを分けて置けば、レジまわりは機器であふれ、操作もスタッフ教育も煩雑になります。

つまり「全部対応」は、それ自体がコストと手間を生みます。だからこそ、闇雲にすべてを揃えるのではなく、自店にとって効く順に優先順位をつけて入れていく——その発想が出発点になります。では、その優先順位は何で決まるのでしょうか。

飲食店の決済は、「業態」で何が変わるのか

最初の分かれ目は、業態です。同じ「飲食店」でも、客層と支払いの場面が違えば、必要な決済手段は変わります。

イートイン中心(レストラン・専門料理店)では、客単価が比較的高く、会計はテーブルやレジでまとまって行われます。高額な支払いはカードで、という客層も多く、クレジットカードへの確実な対応が軸になります。実際、業態別のキャッシュレス比率を見ると、専門料理は 60.0% と最も高い水準にあります※2。

テイクアウト・持ち帰り中心では、少額・短時間の会計が主になります。スマートフォンで手早く済ませたい客が多く、コード決済の比率が高いのが特徴です。持ち帰りはコード決済比率が 15.2% と、業態の中で最も高くなっています※2。ここでは QR コード決済の優先度が上がります。

デリバリーは、Uber Eats や出前館などのプラットフォーム経由なら、決済はアプリ内で完結し、店頭の決済端末は基本的に不要です。自社デリバリーや電話注文で店頭精算が発生する場合だけ、別途対応を考えれば足ります。

屋台・移動販売では、電源や通信に制約があります。モバイル回線で動くコンパクトな端末で、QR とタッチ決済に絞るのが現実的です。

「優先順位」は、客単価と回転率でさらに絞り込める

業態で大枠が決まったら、次は客単価と回転率で優先順位を詰めます。

低単価 × 高回転(カフェ、ファストフード、ラーメン店など)では、会計スピードが命です。サインや暗証番号で時間を取られないタッチ決済(クレジットカードのタッチ、交通系電子マネー)や、コード決済が優先されます。1 件あたりの単価が小さいぶん、ピーク時にレジを詰まらせない方式を最優先に考えます。

高単価 × 低回転(専門料理店、ディナー業態など)では、1 件の取りこぼしが大きいため、クレジットカードへの確実な対応が最優先です。高額決済はカード志向が強く、タッチや分割にも対応できると安心です。

ここで手数料の重みも効いてきます。料率の水準はおおむね、クレジットカードが約 2〜5%、QR コード決済・電子マネーが約 3〜5% とされます※3。手段によって幅があり、薄利・少額多数の店ほど、この手数料が利益に効きます。客単価と件数によって「どの手数料が一番効くか」が変わるため、優先順位は店ごとに違ってくるのです。

業態別「まず入れたい決済」早見表

ここまでを一覧にすると、業態と客単価から見た優先順位は、おおよそ次のように整理できます。

※ あくまで一般的な傾向の目安です。実際の客層・立地によって優先順位は変わります。「後回しでも可」は不要という意味ではなく、導入の順番として後でよい、という意味です

券売機を使う業態であれば、券売機側でキャッシュレスをまとめる選び方もあります(記事末尾の関連記事を参照)。自店がどのタイプに近いかを当てはめると、まず何から入れるべきかが見えてきます。

「手段を増やす」より、「1 台にまとめる」発想

優先順位をつけて入れても、店が成長すれば、結局はクレジットカードも QR も電子マネーも必要になっていきます。そのとき効いてくるのが、最初に触れた「全部対応の負荷」です。

ここで負荷を抑える鍵は、手段を絞り込むことそのものではなく、手段が増えても運用を煩雑にしないことにあります。決済手段ごとに端末やタブレットを分けるのではなく、1 台で複数の決済手段をまとめて処理できれば、レジまわりはすっきりし、操作も締め作業も一本化できます。

優先順位をつけるのは「最初に何から入れるか」の話、1 台への集約は「増えても煩雑にしない」ための話です。この二つは両輪です。順番を考えて入れ、増えても 1 台にまとめておく——そうすれば、「全部対応」が生んでいた手間の多くは避けられます。

まとめ

  • 飲食店のキャッシュレスは普及が進み、関連業種の導入率は 8 割超とされる※1。論点は「対応するか」から「何をどこまで入れるか」へ移っている。

  • 「とりあえず全部対応」は、手数料の種類・締め作業・機器と操作の煩雑さという見えない負荷を生む。優先順位をつけて入れる発想が要る。

  • 優先順位は、業態(イートイン/テイクアウト/デリバリー/屋台)と、客単価・回転率で決まる。低単価高回転はスピード重視でタッチ・QR、高単価はクレジットカード確実対応が軸。

  • 手段が増えても、1 台に複数決済を集約しておけば運用負荷は抑えられる。「順番をつけて入れる」と「1 台にまとめる」は両輪。

FinGo はどう支援できるか

本記事で見てきた「優先順位をつけて入れ、増えても 1 台にまとめる」という考え方は、まさに決済端末の選び方に直結します。FinGo の決済端末「PT-10」は、1 台でクレジットカード(挿入・タッチ)、QR コード決済、電子マネーのタッチに対応します。決済手段ごとに端末を分けたり、タブレットを別途用意したりする必要がないため、レジまわりをすっきりまとめられます。加えて、決済を 1 台にまとめることで、これまで決済手段ごとに分かれがちだった入金や契約の管理もまとめやすくなり、月末の締め作業の負担軽減にもつながります。

操作面もシンプルにこだわっています。ピーク時のレジ対応やスタッフ教育の手間を増やさないことは、忙しい飲食店ほど効いてきます。初期費用・月額ともに負担を抑えた設計のため、「まず優先度の高い決済から入れ、必要に応じて手段を広げる」という段階的な導入とも相性がよい端末です。

「どの決済から入れるべきか迷っている」「複数の端末や契約が増えて、レジまわりと締め作業が煩雑になってきた」——そうしたお悩みがあれば、自店の業態と客層に合わせて、何を優先しどう 1 台にまとめるかを一緒に整理します。お気軽にご相談ください。

FAQ

Q1. 飲食店は、すべての決済手段に対応すべきですか?

必ずしもそうではありません。手段を増やすほど、手数料の種類・締め作業・機器の煩雑さといった運用負荷も増えます。まずは自店の業態と客単価から優先順位をつけ、効く決済から段階的に入れるのが現実的です。そのうえで、増えても 1 台にまとめられる端末を選んでおくと、後から手段を広げても運用が重くなりません。

Q2. テイクアウト中心の店は、どの決済を優先すべきですか?

少額・短時間の会計が中心になるため、QR コード決済の優先度が高くなります。実際、持ち帰りはコード決済比率が 15.2% と業態の中で最も高い水準です※2。加えて、交通系電子マネーのタッチ決済もスピード面で相性がよく、次点で検討する価値があります。

Q3. 決済手数料の負担を抑えるには、どうすればよいですか?

料率の水準は手段によって異なり、おおむねクレジットカードが約 2〜5%、QR コード決済・電子マネーが約 3〜5% とされます※3。自店の客単価と件数から「どの料率が一番効くか」を見極め、業態に合う手段に優先順位をつけるのが基本です。そのうえで、複数手段を 1 台に集約すれば、契約や運用の手間というコストも抑えられます。

Q4. クレジットカード・QR・電子マネーを 1 台でまとめられる決済端末はありますか?

あります。1 台でクレジットカード(挿入・タッチ)、QR コード決済、電子マネーのタッチまで対応できる端末を選べば、決済手段ごとに機器やタブレットを分ける必要がなく、レジまわりをすっきりまとめられます。本記事で触れた「増えても 1 台にまとめる」発想に合う選び方です。FinGo の決済端末「PT-10」も、こうしたマルチ決済を 1 台で扱えるタイプです。

Q5. 小さな飲食店でも決済端末は導入しやすいですか?費用が気になります。

端末のタイプによって、初期費用と月額の負担は大きく変わります。初期費用・月額がともに軽い端末を選べば、小規模店でも導入のハードルは下げられます。具体的な費用は、必要な台数や決済構成によって変わるため、見積もりやご相談で確認するのが確実です。FinGo の PT-10 は初期費用・月額ともに負担を抑えた設計のため、まず優先度の高い決済から段階的に始めたい店舗にも向いています。


関連記事

決済の「月額費用」と「決済手数料」の基本的な考え方は、別記事で解説しています。 「新規開業時に知っておきたい『月額費用』と『決済手数料』の考え方」 https://note.com/fingo/n/n7d83d8c835cd

QR コード決済の導入を検討する際は、こちらもご参照ください。 「店舗が QR ステッカーを導入するメリット・デメリット」 https://note.com/fingo/n/n40104ca5c14c

券売機でキャッシュレスをまとめる選び方は、こちらで触れています。 「飲食店にキャッシュレス券売機を導入する 5 つのメリット」 https://note.com/fingo/n/nc14c2421c9ee


出典

※1 PCI DSS Ready Cloud「キャッシュレス決済対応済み企業は 7 割以上。飲食、小売、観光では 90% に迫る。経済産業省最新調査」 https://pcireadycloud.com/blog/2021/10/06/3936/ /経済産業省「キャッシュレス決済実態調査アンケート集計結果」 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/cashless/cashless_sub/questionnaire_result.pdf

※2 ポスタス「飲食店売上動向レポート 2025 年 6 月」(2025 年 5 月度データ。全国飲食店キャッシュレス比率 52.9%、専門料理 60.0%、持ち帰りコード決済比率 15.2%、クレジットカード 78.4%・コード決済 15.6%) https://www.postas.co.jp/news/2025/15027/

※3 ダイニー「キャッシュレス決済の手数料はいくらが相場?導入コストや選び方を徹底解説」(飲食店向け手数料相場:クレジットカード約 2〜5%、QR コード決済約 3〜5%、電子マネー 3〜5%) https://dinii.jp/cashless_kessai_tesuryo/


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