駅の改札で広がる「オープンループ」方式とは?
クレジットカードで改札を通れる時代へ
近年、鉄道の改札システムにおいて「オープンループ」方式の導入が徐々に進んでいます。これは、交通系ICカードに限定せず、VisaやMastercardなどの国際ブランド付きクレジットカード、デビットカード、あるいはスマートフォンのタッチ決済(Apple PayやGoogle Payなど)で、そのまま改札を通過できる仕組みです。
オープンループとクローズドループの違い
従来の「クローズドループ」方式は、SuicaやPASMOのように交通事業者が発行・管理する専用ICカード(電子マネー)を用いる仕組みです。ユーザーはカードにチャージして利用し、利用履歴や残高の管理も事業者側で完結します。
これに対して「オープンループ」は、第三者が発行する一般的な決済手段(クレカ、スマホ決済)をそのまま使えるのが最大の特徴です。専用カードの発行やチャージが不要なため、特に一時利用の多いインバウンド観光客にとって利便性が高いとされています。
日本での導入事例と実績
オープンループはすでに世界各地の都市交通で一般化しており、日本国内でも導入の動きは加速しており、例えば以下のような導入事例があります:
大阪メトロ(Osaka Metro)
福岡市地下鉄
東急電鉄
実際に撮影した福岡市地下鉄内でのタッチ決済
今後の展望
オープンループは、利便性やインバウンド対応の観点で今後の主流になる可能性があります。一方で、システム連携や運賃精算の仕組み、端末の整備など課題も多く、全国展開には時間を要する見込みです。
ただし「使い慣れたクレカ1枚で改札を通れる」未来は、着実に日本でも現実になりつつあります。